最高裁判所第三小法廷 昭和25年(オ)286号 判決 1952年10月21日
主文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理由
上告代理人小脇芳一同古田進の上告理由は末尾に添えた書面記載のとおりである。
上告理由一について。
原判決挙示の証拠によれば、原判決の認定した事実を認めることができるのであつて、その認定には所論のように経験則に反する等の違法はない。所論は、原審の適法にした証拠の判断並びに事実の認定を非難するものであるから理由がない。
同二及び上告状記載の理由について。
原審は、その認定した事実に弁論の全趣旨を綜合して上告人(控訴人)は正当の事由がなくして本件婚姻予約の履行を不能に陥らしめたものと認めたのであつて、その判断は経験則に違背するところもなく、所論のように予約不履行の法理を誤つた等の違法もない。
よつて、本件上告を理由ないものと認め民訴四〇一条九五条八九条に従い、裁判官全員の一致した意見で主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 井上登 裁判官 島 保 裁判官 河村又介 裁判官 小林俊三 裁判官 本村善太郎)